第81話

「あ、あ、えと、こんにちは!」



いやいや、私!!緊張し過ぎでしょ!!


若干恥ずかしくて、耳がじわりと熱くなる。


真正面から見た彼女は、やっぱり清楚で可愛くて、ああ、世の中の男性が憧れとする女性像そのもの、なんて思ってしまった。


外見も勿論の事、きっと彼女は内面も心清らかなのが雰囲気で分かる。


物凄い敗北感に襲われながら、早く行ってくれないかなと思っていると、彼女が嬉しそうに両手をパチンと合わせた。



「あなたが、“小春さん”ですね?」



と、彼女に名前を呼ばれたことに酷く驚きながらも、私はコクンと頷いた。


すると彼女は、花が綻ぶようにパァッと明るく微笑む。


「よくひー君や、その他の方々にもお話伺ってました!一度お会いしてみたいなぁって思っていたんです!あ、私は東城楓(とうじょうかえで)と言います!宜しくお願いします!」



なんか、イメージしていた大人しそうな彼女と違って、思いの外ハキハキと喋る彼女に少し圧倒されてしまった。


いやいや、それよりも、彼女の言う“ひー君”ってもしかして、もしかしなくとも……



………翡翠様、の、事?

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