第68話
きっとこれは、私の98回目の告白の返事。
あの時思わず呟いた『好き』に、予想外にもキスしてもらえて勘違いしてしまったけれど、答えは最初っから決まっていて。
けれど、今までのどの告白の返事よりも、私を叩きのめすには威力がある。
「…翡翠様、一つ伺ってもいいですか?」
「はい、なんでしょう?」
「翡翠様は……あの、先程の女性と、結婚なさるんですか?」
一瞬、会話に間があった気がしたけれど、直ぐに翡翠様は穏やかに私を見つめて言った。
「そう、なると思います。」
……あー。
なんだろう、………コレ。
久々の頭を鈍器で殴られたかのような衝撃に、思わず息の仕方すら忘れそうになる。
きっと。
普通であれば、キスまでしておいて期待持たせといてって、怒る所なのかもしれない。
だから翡翠様は謝っている訳で。
でも、私は────…
無意識に、翡翠様の法衣の裾をギュッと握り締めた。
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