第67話
「……すみません。私は自分の軽率な行動を、あなたに謝らなければならないのに、ここ数日、逃げるような真似をしてしまいました。本当に、申し訳ない。」
ズキリ、と胸が痛んでズンと心が重くなった気がした。
こうやって謝られる事が、一番残酷で辛い。
翡翠様が後悔しているのがヒシヒシと伝わってきて、
『魔が差した』って言われた方がまだマシだった。
「…分かってますから。翡翠様が私を避けてた理由。私に、期待させない為、ですよね?」
僅かに否定の言葉を期待して呟いたけれど、
私の言葉に、翡翠様がそっと視線を伏せた。
「…あなたの気持ちに、応えることが出来ないのに、私はあまりに軽率でした。本来なら、私はあなたに合わせる顔も無いはずなのに、こうして謝る機会を与えてくださった事に感謝しています。」
…ああ。
翡翠様って、どうしてこうも糞真面目なんだろうか。
けど、そんなところにも惹かれてしまったのだから、もうどうしようもない。
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