7.98回目の返事
第66話
あんなに毎日避けられて、翡翠様に会いたくて堪らなかったのに、今はこの場から逃げ出したくて堪らない。
それは、何を今から言われるのか。
きっと私がもう知っているから。
「小春さん、今、少し宜しいですか?」
こんな時でも穏やかな翡翠様の声に、思わずビクッと肩を揺らしてしまった私は、黙ってコクンと頷いた。
それを合図かの様に、玉瑛君と秋明さんが私から離れていく。
玉瑛君は、とても心配気な顔で。
秋明さんは、少し優しく笑って私の頭を撫でて、二人とも去って行く。
翡翠様の後ろに視線を向けると、もう彼女はいなくなっていて。
もうこの場には、私と翡翠様の二人しかいない。
何を言われるかなんて、想像は出来ているのに、いざとなると怖くて堪らなくて。
翡翠様に振られるなんて、今に始まった事じゃないのに、今までとは明らかに違うんだと、聞きたくないのだと、私の頭が警告音を鳴らす。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録(無料)
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます