第52話
ドキドキしつつ、翡翠様と境内を歩く。
隣を歩いている事に踊り出したい気持ちと、昨日の出来事の恥ずかしさで落ち込む気持ちと、ごちゃ混ぜでどんな顔をしたらいいのか分からなくなる。
でも、どうしても昨日のお礼が言いたかったので、境内一大きなケヤキの樹の下まで来た時、翡翠様を見上げてペコリと頭を下げた。
「昨日は…その、ありがとうございました。昨日のうちにお寺に来たかったんですけど、仕事が終わるのが遅くって…」
なんとなく恥ずかしくて、ついモゴモゴ喋ってしまう。
昨日、幸希の事だけじゃなくて、会社での私の様子まで知られてしまって、仕事の話しを出す事が妙に恥ずかしくて、頬がじわりと熱くなる。
「…私は何もしていませんよ。ただ、小春さんの会社での様子には驚きましたが。」
そう言って、翡翠様が口の端を上げて少し意地悪く笑う。
あああぁぁーーっ!!
やっぱり、やっぱり!!絶対翡翠様引いてるんだっ!!
恥ずかしさに顔を真っ赤に染めながら、どう弁解しようか悩む。
こっちが素の私だって、どう言えば信じてもらえる…!?
悶々と悩む私を見て、翡翠様がふと笑った。
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