第42話

「ブッ!!意外ッス!!超意外ッス!!あの鬼係長がお寺に通ってるなんて!しかもちょっとミーハーっぽいし!だから毎日急いで帰るんスか?」



藤森がゲラゲラ笑いながら言うのを聞いて、翡翠様が



「鬼、係長…ですか?」



と、それこそ意外だと言わんばかりの顔で私を見る。


ああ…もう最悪。今日は厄日かも。


なんて項垂れる私を見て、九条課長が苦笑いする。



「藤森、お前そのくらいにしとけ。帰ったらしばかれるぞ。」



九条課長の言葉に、更に目眩がした。


っていうか!!

それフォローになってませんから!!全然!!


そんな私を見て、翡翠様はフッと拳を口元に当てて笑った。


あぁ…絶対、化けの皮が剥がれたと思われてるっ!

確かに、藤森を蹴り飛ばしてる時も素だけども!


本当の私は、翡翠様と会ってる時の方が素なのに!


会社では立場上、女だからって舐められないように、意識して厳しくしてるのになぁ、とガックリ項垂れていると、



「あれ、桜木係長達じゃね?」


「ん?…あー。」



と、後ろから聞き馴染んだ声が聞こえてきて、思わず身を竦めてしまった。

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