4.バレたくない事がバレました。
第35話
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「藤森、少しは頭に詰め込んだでしょうね?」
セミナーが終わって、会場から出たところで大きなあくびをする藤森を横目で睨む。
私だってあくびどころか、睡眠不足で目眩がするというのに、誰のせいで尻拭いさせられてると思ってるんだ、と藤森についイラっとしてしまう。
あの日、翡翠様に会ってから、何かと仕事が立て込んでいた為、帰りが遅かったので翡翠様には一度も会えていない。
それもきっと、疲れが取れない原因の一つかもしれない。なんて溜息を吐くと、藤森が隣で肩を竦めて首を振った。
「いや、正直無理っス。俺、商品企画なんで経営企画は難しすぎて無理です。」
それを聞いて私の方が項垂れてしまった。
「…はぁ。アンタそんなんだから、まだ企画が一つも通らないのよ。私達商品企画部は、経営陣を納得させるのも仕事の一つなんだから、アイデアを生み出すだけじゃダメなのよ?」
私が溜息を漏らしつつ、藤森に説教をしていると、同じ建物の他の会場で講演会か何かあったのか、沢山の人がロビーへと雪崩れ込んできた。
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