第27話

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お昼休み、営業部で同期のユキを迎えに、一階までエレベーターで降りる。


同じ部署の人は、やっぱり上司という立場上なんだか気が抜けなくて、他部署であるユキとお昼を摂るのが私の日課だ。



まだあまり騒がしくない廊下を見て、


あ、今日はちょっと早く降りて来過ぎたかな?


なんて思っていると、営業部のオフィスの入り口から聞き覚えのある声が聞こえてきて、思わず身を隠してしまった。



「あれ、大崎今日弁当じゃねーの?」


「あー、うん。嫁が式の準備で忙しくてさー。」


「チッ、なんだよー、ケンカしたのかと思って聞いたのに、惚気かよ。」


「残念、俺さゆりとはケンカしたことねーし。」



楽しそうに笑いながらロビーに向かう男二人を、若干ドキドキと緊張したせいで汗ばむ手を握りしめつつ、見えなくなるのを待つ。




………私、何隠れてるんだろ。




さっきの会話の内容が、頭の中でリピートされて思わずギュッと目をつぶった。

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