第26話
「こんな企画、本気で通ると思ってんの?まずパッと見でコストがかかり過ぎ。こんなんじゃ原価が跳ね上がるだけなのに、その原価計算も間違ってる。全部最初からやり直し。」
しょんぼり俯きながら、藤森が企画書を受け取る。
…ああ、もうちょっと良いアドバイスが出来れば、なんて思っている矢先に、
「…はーい。」
「返事は伸ばすな!アンタ社会人でしょ!?」
やっぱりイライラして怒鳴ってしまう。
翡翠様の穏やかさを分けてもらえないかな、本当。
「藤森、明後日午前中、空けておいて。セミナーに連れてくから。そこでもう一度勉強し直して。」
「ええ!?何で俺なんスか!?」
「これは業務命令。サボったらタダじゃおかないわよ。」
私と藤森のやり取りに、九条課長がクッと笑った。
「黙って行った方がいいぞ、藤森。桜木怒らせたら、お前後で泣く事になるぞ。」
九条課長の言葉に、キッと彼を睨んだけれど、肩を竦めてまたパソコンに向き直った課長に、小さく舌打ちをして藤森にセミナーの資料を渡した。
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