第18話

秋明さんは若い上に中々の美坊主だけれど、目付きが鋭い為か、どう頑張って見ても法衣を着ていなければヤクザに見えてしまう。



「まぁ、ワシも袈裟がなけりゃ、警察に職務質問は日常茶飯事だけどな。」



そう言ってニカッと笑う秋明さんは、うん、本当、良い人なのだ。ヤクザに見えるけど。


秋明さんが職務質問されてるのを想像して、噴き出しそうになるのを必死で堪えた。


っていうか、ここのお寺のお坊さんは、イケメン率が高い気がするのは私だけだろうか?


肩をプルプル震わせる私を見て、秋明さんがニヤニヤと笑い出す。



「小春ちゃんも飽きないねぇ、副住職追っかけるの。」


「…相手にされてませんけどね。」


「ワシにしとけば、可愛がってやるぞー?」



秋明さんが、妖美にニヤリと笑うものだから、不覚にも一瞬ドキリとしてしまった。



「あー、はは。翡翠様にアタックし疲れたら、秋明さんの所に行こうか…」

「こんな所で、何をされているのですか?」



いきなり自分の言葉を遮るように、背後から翡翠様の声がして、ビックリして振り向いた。

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