2.翡翠様の好み
第10話
「玉瑛(ギョクエイ)君!!ちょっとごめん!!私の唇の青海苔取れてる!?」
足音を極力立てないように小走りで、掃除をしている彼の元に駆け寄った。
「え、青海苔、ですか?」
「そう!唇にもう付いてない!?」
「…付いてませんけど、朝からお好み焼きでも食べたんですか?」
そう言われて、はっ、と思考を巡らすも
……朝は普通の食パンだった。
くーーーっ!!またやられたっ!!
静かに身を捩りながら、静かに地団駄を踏む。
翡翠様はいつもこうやって、いとも簡単に私をあしらうのだ。
そんな私の様子を見ながら、玉瑛君がクスクスと笑う。
「小春さんって、いつも賑やかですよね。見ていて楽しいです。」
褒め言葉になっていないけど、彼に取ったら褒めているのだろう。
玉瑛君は、癒し系イケメンなお坊さんだ。
歳は私より一つだけ下だけど、ふんわりした雰囲気はまるで弟のようだと思ってしまう。
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