第87話

店内に入って、四人掛けのテーブルに座る。

もちろん、七瀬は私の隣で文也とは向かい合わせに座った。


私と七瀬は勿論同じトマト系のパスタを選んで、いつもの癖で、「半分個しよ?」と言ってしまった。


文也とは基本的に好きなものが逆だったので、半分にするなんて事したことなかった。だからなのか、文也が「食べ物まで気が合うんだな」と、驚いていた。




うん、これで七瀬が本当に私の彼氏なのであれば、相当仲良しカップルになってただろう。


意見の食い違いで、ケンカになった事がない。

まぁ、七瀬に怒られることは多々あるけれど、大概私に非があるし、私の事を思って言ってくれてるのが分かるからケンカにはならない。



三人で、最初よりは打ち解けて仕事の話も交えて話していると、




「あれ?翼?」




と、七瀬に負けず劣らずイケメンな男の人が、笑顔で近付いてきた。

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