第84話
七瀬の意図が分からなくて、混乱しながらも自分の心を落ち着かせる事に集中する。
あーもう!七瀬のバカっ!アホ!オタンコナス!
絶対からかってるんだ、コレは!!
目的の場所に着いたのか、文也が可愛い雑貨屋さんの前で立ち止まった。
「七美、好きだったよな、テディベア系。沙世も七美と同じ様なのが好きみたいでさ。この店、取り敢えず候補にしといたんだけど、どうかな?」
文也が少し恥ずかしそうにハニカム。
当然、可愛いテディベアの雑貨たちの前で、私の目はキラキラと釘付けになる。
もちろん、私の左隣の人も。
七瀬の方をチラッと見ると、ウズウズしてるのが見てとれた。ふふっ絶対七瀬、アレコレ物色したいんだろうな。けど、文也の手前、グッと我慢してる様子がうかがえて噴き出しそうになった。
肩を震わせ笑っている私に気付いたのか、七瀬がフニっと頬を摘んできた。
「何笑ってんのよっ」
小声で話しかけてくる七瀬に、さっきの手繋ぎの仕返しとばかりに、私はクスクス笑い続けた。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録(無料)
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます