第74話

ってか、美魔女って。


七瀬の表現に、確かに一理あるなぁなんて含み笑いをしていると、




「行かないわよ。」


「え?」


「七美を置いてなんて、行かないわよ。」




と、七瀬が真剣な表情で私を見て言った。


え、え?それって、…どういう意味?


確かに、海外事業部は殆どが海外出張か、海外転勤で会社や国内にいる事の方が少ない。けど…


みるみるうちに自分の顔が赤くなっていくのが分かる。


や、や、やっ!私、赤くなるとこじゃないじゃん!?


そう思うのに、赤くなるのは止められなくて焦る。

七瀬が私の反応を見て、少し目を見開いた。



「七美、」

「あ、あの、ゴメン!私ちょっと御手洗!」



慌ててガタっと椅子を引いて立ち上がった。

七瀬に何を言われるのか、聞くのがなんだか怖くてその場から逃げ出してしまった。



絶対、顔が赤くなったの七瀬に気付かれた。

こんな逃げ方したら、余計怪しいっつーの!!

どうしよう…ってか、何で!?私!?

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