第67話
「…ふーん。」
七瀬が物凄く何か言いたげに、後ろで頷いている。
ゔっ…視線っ!視線が背中に刺さってるんですけどっ!
気付かないフリをして、テキパキとデスクの上を片付けていく。でも、あれ?と思って手を止めた。
「七瀬、今日出先から直帰じゃないの?金曜日だよ?」
七瀬と私は毎日一緒って訳ではなく、七瀬が出先から直帰ではない会社にいる時だけ私の事を迎えに来て、一緒に買い物行ったりご飯食べに出掛けたりする。
直帰の日はその日の状況によってバラバラで決まってはいないけど、金曜日だけは毎週同じ遠い得意先に出るから毎回直帰だったはずだ。
「七美の嘘に付き合ってあげるって言ったでしょ。朝は良いとしても、帰りは待ち伏せでもされたらアンタ、ホイホイ付いていきそうだもの。だから送ってあげるわ。」
七瀬が私のデスクに腕組みしながら寄りかかり、向かい合わせの状態で長い脚を組んだ。
あ、そういえば。
文也の事をスッカリ忘れていた。
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