第60話
「七美ちゃん今日は遅かったのね?」
席に着くなり、秘書課の宮島さんが綺麗な笑顔で微笑んでくる。
ゔっ、美のオーラが半端ない。同期とはとても思えない。
「あ、はい。ちょっと集中し過ぎちゃって」
「ナナちゃん今日凄い勢いで、朝階段登ってたもんね。途中で声かけたのに、気付いてなかったくらいだし。そんなに今日、忙しかったんだ?」
受付で彼女に一目惚れした男の数は数え切れないであろう南さんが、ふふっと可愛らしく笑って言う。
「み、見てたんですか!?」
「あ、わたくしも見ましたわ。朝から3階まで階段を一気に駆け上がるなんて、元気があって、素晴らしいと上野専務が褒めてらしたわ。」
役員はみな、彼女には敵わないと言われるほど仕事が出来て容姿端麗な羽鳥さんが、上役達を魅了する上品な微笑み漏らした。
羽鳥さんに専務まで!?
あー…、穴があったら入りたい。
「もー、みんなあんまり七美を弄らないの。」
美香の助け舟に救われて、なんとかこの話題は去った。
けど、やっぱりみんな立場は違えど、同じ女子だ。
みんな部署が違うからか、ガールズトークのエサである噂話には事欠かないらしく、次から次へと新しい話題が提供されていく。
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