第61話

「聞いたー?海外事業部の田崎さん受付の子との不倫がバレて台湾に飛ばされるんだって!」


「懲りないね〜田崎さん。この間タイに飛ばされてたのもなんでしょ?」


「まぁ、顔が良くてお金も持ってるしね。奥さんは田崎さんの事ATMって割り切ってるのよ、絶対。」


「わたくしは田崎さんのどこが良いのか理解し兼ねますわ。ただ口がお上手なだけの男性は、中身が無いですもの。」



ううわっ、みんな手厳しい意見…。

妻子持ちの田崎さんも田崎さんだけど。海外事業部なんて私には縁ないとこだし、とサラッと流して聞きながらご飯を口に運んでいると、宮島さんが今一番聞きたくない人の名前を口にしたものだから、自然と耳が傾いていく。



「海外事業部といえば、七瀬ちゃんは引き抜きの話、どうなったの?」


「七瀬っちは無理っしょ。だって統括部長が絶対離さないもん。」


「そうね、稼ぎ頭だものね。でも、本人はどう思ってるのかしら。ね?七美ちゃん、何も聞いてない?ナナコンビの片割れに探りを入れてこいって、言われてるのよ、私。」



宮島さんが美香と話しながら、私の方に話をふってきた。

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る