第59話

混み合う食堂で、Aランチの券を買って並んでいると、美香が遠くから叫びながら手を振ってきた。



「七美ー!ここ、ここー!席とってるからおいでよー!」



美香は見た目の派手さもだけど、元々かなりの美人だからどこにいても目立つ。

何の縁なのか、入社試験の時席が隣り合わせになった事から、よく話すようになって仲良くなった。


第一印象は化粧がキツ目でちょっと苦手かな?と思っていたけど、話せばとっても気さくで話しやすくて、何より笑のツボが合う。二人でお笑いのライブに行ったことがあるくらいだ。


そんな彼女の友達も、私以外はやっぱりみんな美人さんで。誘われた席に向かうと、そこには一際目立ったグループの席が出来上がっていた。


一階ロビーの受付嬢の南さんに、秘書課の宮島さんに羽鳥さん。そして、一課のマドンナ的存在の美香。


食堂で食べる時は、美香に誘われて大概彼女達と一緒に食べているけれど、絶対私一人だけ浮いてると思うんだよね。うん、絶対。

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