第56話
駅から会社までは徒歩五分程度で着いてしまう。
美香とくだらない話で盛り上がりながら、会社まで着くと、まだらに人が騒つく会社のロビーで楽しそうに話している七瀬と吉田さんがいた。
あれ?七瀬もう会議終わったんだ?
と、思うのと同時に吉田さんが笑いながら七瀬の腕を叩いているのが目に入った。
七瀬は、女性に身体に触れられる事を嫌がる。
…はず、なのに、吉田さんは…大丈夫なんだ?
勿論、私の事は大丈夫らしくて嫌がられた事は無いけど、何だか胸が騒つく感じがした。
と、同時に、何故か二人を見ていることに苛立ちを感じてしまう。
「あれ?七瀬っちー!吉田ちゃーん!おっはよー」
隣で美香が、大声で二人に声をかける。
ええ!?何でわざわざ声かけるの!?
と、少し戸惑ったけど、美香はそう言えばなんだかんだで優秀で、一課の人間なんだった。それに時既に遅しで、七瀬と吉田さんが私達に気付くとゆっくり近付いてきた。
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