第55話

「おはよっ」


「うわっ、お、おはよ?どうしたの?珍しいね、この時間の電車なんて」



肩を叩いたのは、朝からバッチリメイクの美香だった。



「うわって、失礼ねー。昨日、七美大丈夫だったかな?って心配だったのと、山田の馬鹿が吉田ちゃんに聞いて七美の番号二階堂君に教えちゃったって聞いたからさ。」



あ、そう言えば、昨日一課の吉田さんも合コンに来てたんだっけ?


彼女とは七瀬繋がりで、時々喋ったりする。

見た目は、ほわんとしてて小動物みたいで凄く可愛い。可愛い物好きの七瀬の好みのタイプらしい。恋愛感情では一切ないらしいけど。



「で、あの後大丈夫だった?」


「あー、うん。なんとか。けど、うっかりLINE許可しちゃって、今後悔中。」


「マジ?まぁ、確かに七美の性格だとブロックとか出来なさそうだもんね。ゴメン、今度山田の奴シメとくよ。」



美香が片手を顔の前に当てて、ゴメンと言いながら、人の波に押されて一緒に駅のホームに降りた。

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