第39話

今、21:50分。


流石に仕事も終わってるし、家に帰ってるはず。けど、七瀬の事だ。美容の為とか言って、早く寝てそう…肌すべすべだし。


祈るような気持ちで七瀬に電話をかける。

3回コール音がした後に、『もしもし?』と、若干不機嫌な七瀬の声が聞こえてきた。



「七瀬ーーーっ!」


『ちょ、煩いわね。アンタ今合コン中じゃないの?』



七瀬の不機嫌さが増した気がしたけど、私は気にせず話し続ける。



「七瀬、一生のお願い!!何でもするから、今から私の事迎えに来て!彼氏のフリして!!」


『アンタねぇ、私が車持ってるからって、私をアシ代わりにしようなんて、百万年早い…って、はあぁぁぁ!?彼氏ですって!?』



七瀬が素っ頓狂な声をあげる。

ゔっ、分かってるよ。馬鹿なお願いしてるのはっ



「理由は今は時間がなくて話せないから、後から話すよ!だからお願いっ!!私を助けると思って、今だけ協力して!」



七瀬に縋るように、切羽詰まった声でお願いしてみる。

これでダメなら、諦めて他の方法を探すしかない。

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