「で？七美は元サヤに戻るつもりあるの？」

美香のストレートな質問に、一瞬ドキッとする。

確かに、大好きだった。浮気されても、私の所に戻ってくれるならまだ頑張れる、とさえ思ってた。

それぐらい好きで。でも、結局文也は戻ってこなかったし、あの子と付き合った。

「…戻る気は、もう無いよ。」

あの時、どれだけ落ち込んだか。

既に七瀬と友達になってた私は、七瀬の励ましがあったからこそ、ここまで立ち直れたんだ。

七瀬がいなかったら、私は自殺してたかもしれない。ってくらい、落ち込んだ。

「そっか。なんかごめん。嫌な事思い出させちゃったよね。今日はどうする？もう帰る？」

「え、帰ってもいいの？」

「や、だって、明らかに七美帰りたいオーラ出してたからさ。だからトイレに連れ立ったんだよ。」

美香って外見は派手なのに、かなり気配り上手だ。

本当、私良い友達に囲まれてるなぁとしみじみ思いながら「ゴメンね？」と謝りつつ頷いた。

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