第35話
「あー、でも、だからかぁ。山田が言ってた事の意味が今わかったわ。」
女子トイレに入りながら、美香が肩を竦めた。
「え、何の話?」
「山田ってのは、今日の主催者で私の高校の同級生なんだけどさ、二階堂君、モテるからよく合コンに誘うらしいんだけど、いつ誘っても合コン来てくれなかったみたいなんだよね。でもK製菓の名前出した途端、初めて自分から行くって言い出したって。何でかなぁ?って聞かれてたんだけど、なるほどね。七美がいるからだった訳ね。」
「え、でも、私参加するかわかんなかった訳でしょ?違うと思うけど…」
そう言う私に、美香がビシッと人差し指を突き付ける。
「七美が参加してなくても、誰でもいいからK製菓の子と仲良くなっとけば、七美と連絡取れると思ってたんじゃない?どっちにしろ、あれは七美しか眼中にないよ、絶対。」
うーん…。確かに、私も自惚れじゃなく、そんな雰囲気は薄々感じてはいたけど、第三者に言われるとあながち自分の感覚も間違っていないのかも、なんて思えてくる。
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