第24話

「武藤君じゃなくて、私七瀬さんが担当がいいわ」



そう言って、片山さんが名刺を取り出した。


なんか、私、完全に蚊帳の外っぽいんですけど…。



「いえいえ、そんな。お世辞がお上手ですね。ですが武藤も、新人ながら頑張ってますので、今後とも、どうか彼を宜しくお願い致します。お言葉だけ、有難く頂いておきます。」



七瀬がニッコリ営業スマイルで微笑んだ。


そういえば、緊張で忘れていたけれど、七瀬がさっきからオネエ言葉を使っていない。丁寧語だから、あまり違和感がないのか、これが七瀬が演じてる男バージョン?と、少しだけ残念な気持ちになってる私がいた。


もう少し、男らしさが滲み出てるのかと思ったけど、七瀬だしね。これ以上は嫌なんだろう。



「じゃあ、今度是非お食事でもいかが?これ、私の番号。連絡待ってるわ。」



片山さんはそう言って、胸の谷間が見える角度で名刺を渡し、自然に七瀬にボディタッチして来た。


うわっ、私居るのにこれだよ。

これが噂のモテる女のモテ仕草ってヤツなの!?

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