第23話

「すみません、彼女は最近営業の方に異動願いを出したばかりの新人でして、今日も自分のミスだからと、謝罪に来ることを頑なに譲らなかったもので。不躾な態度で、重ね重ねお詫び申し上げます。」



え?なんで営業?と、不思議に思いながらも、慌てて私も頭を下げた。



「も、申し訳ございませんっ!すぐにデータを送ります!」



「そう、新人さんなのね。事務員の子かと思っちゃったわ。ふふ、頑張ってね?」



え?と頭に疑問符が浮かぶも、取り敢えず「はいっ」と返事をしておいた。



「それにしても、K製菓のモデルみたいな営業ってあなたの事だったのね?最初どこのモデルが来たのかと驚いちゃったわ。」



片山さんが七瀬にニッコリ微笑んだ。

彼女はまだ七瀬の実態を知らないのだろう。

片山さんからは、女の色気がムンムン漂っているように感じた。

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