第22話
「そうでしたか。ですが大変失礼な事をしてしまい、誠に申し訳ございませんでした。お手数をおかけ致しますが、そのまま削除して頂けたらと思い、本日伺いました。」
そう言いながら七瀬がチラリとこちらをみた気がした。
ゔっ…そりゃ怒るよね。データが見れないと分かれば消して貰えばいいだけなんだもんね。最悪、電話でもいけたかもしれない。
私が騒いだりしたから、みんなパスワードの事忘れて、データが流出したって大騒ぎになったんだし…。
大事に至らなかったからまだ良かったけれど、特に七瀬には申し訳ないことをさせてしまった。
私がシュンと項垂れていると、片山さんがクスクスと笑った。
「わざわざ御足労頂いて申し訳なかったわね。ええ、勿論そうさせて頂いたわ。だから、早目に本来のデータを送って下さる?」
片山さんが私に向かって微笑んだ。
凄く、綺麗な人だなぁ。そう思って、返事もせず見惚れていると、七瀬が咳払いしながら肘で小突いてきた。
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