第21話

「あらあら、威勢のいい御嬢さんね。お待たせしてしまってごめんなさいね。担当の片山です。今日はどういったご用件で?」



てっきり、厳ついおじ様が担当なのかと思っていたら、若い女性の声が聞こえてきて、思わず顔をあげてしまった。



「お世話になっております。私はK製菓の七瀬と申します。今日は、本日お送りしましたデータの件で伺った次第です。」



隣で七瀬が丁寧に頭を下げていく。

それを見て、私も慌ててまた頭を下げた。



「データ…ああ、アレね。ふふっ大丈夫よ。アレ社外秘か何かのデータなんでしょ?パスワード付きになってて開けなかったもの。」



あ…!そうだった!!

社外秘データには、社内回覧される際もパスワード付きになっているんだった!!


慌てすぎて忘れていた。多分、部長も、私に頼んだ武藤君も社外秘って部分に囚われてみんな忘れている。

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