第19話
なんだか子供染みた事で拗ねてる自分を恥ずかしく感じて、プイッと七瀬から顔を逸らして唇を尖らせた。
「七美、怒ると唇尖らせるの癖よねぇ。お子ちゃま。」
七瀬が呆れたように笑った。
けど、図星なだけに言い返せなくて、ムスッとしながら窓の外を見つめた。
しばらくすると、大きなビルの駐車場に入っていく。
あ、着いたんだ。と、途端に緊張感が速度を増してきた。けど、自分のミスだ。しっかりしなきゃ!と、私はキュッと拳に力を入れて握りしめた。
駐車場に入って、七瀬がバックで車を駐車して行く。
その時、あれ?と思って、なんとなく口にしていた。
「七瀬、バックする時、後ろ向かないんだね?」
私の言葉に、七瀬がフンっと鼻で笑った。
「バックする時、後ろ振り向いてする奴はバックが下手なのよ?二階堂君下手だったのね、それかもしくは…まぁ、今はそんな話いいわ。早く行きましょ」
もしくは、の続きが気になったけれど、取り敢えず、今は七瀬の言う通り、A商事に意識を集中することにする。
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