3.男バージョン七瀬?

第14話

M商事との合コンの日が間近に迫っていて浮かれていたせいか、私はかなり初歩的な大きなミスをしでかしてしまった。



「島崎っ!!何やってんだ!お前はっ!!」


「申し訳ございませんっ!直ぐに先方に謝罪に行ってきますっ」



涙目になりながら部長に頭を下げた。


営業二課の人に頼まれていた、得意先にメールで送信するデータを、誤って社外秘の方のデータを送ってしまっていた。


通常、社外秘データには『社外秘』マークをデータ名に付けなければいけないのだけれど、二課の人のパソコンから送った為、たまたま付いていなかった。


だからと言って、中身を確認せずに送ってしまった私が一番悪いので、ひたすら頭を下げ続けた。


ああ、自分が情けなさすぎて泣けてくる。


でも、ここで泣くのは社会人として有るまじき行為なので、私は舌を噛んで必死に涙を堪えた。


事が発覚したのが、営業が戻る夕方の時刻だった為、課内が少し騒ついた。

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