第13話

それから、お互い好みが似ていると分かって、好きなものを次々あげていくと、面白いくらい好みが同じだった。



「私初めてよっ!ここまで好みが似てる子に会ったの!」



感激したように七瀬が私の手を握ってきた。


不思議とオネエ言葉だからか、七瀬に手を握られても異性を全く感じなかった。


それどころか、私自身もここまで好きなものが似てる友達はいなかったので、嬉しくて握り返していた。



「私もですっ!まさか食べ物まで好みが一緒なんて、私達まるで双子みたいですねっ!」


「本当よっ!生き別れた妹がいたのかと思ったわ!で、あなた名前は?」



あ、肝心な自己紹介がまだだった。

私が七瀬を一方的に知っていたものだから、つい知ってるものだと思ってしまった。



「あ、私、島崎七美です!」


「あらっ!私、七瀬翼よ!『ナナ』まで一緒なんて私達、運命共同体みたいねっ」



その日から、その時の私達の息の合い方を見ていたみんなから、『ナナコンビ』と、私達は呼ばれるようになった。

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