決してそういう世界を否定する訳じゃないけど、やっぱりありきたりな恋愛がしたい。

「それに、今度合コンに誘われてるんだー、美香に。」

「美香って一課の中村ちゃん？あの子合コン好きよねぇ。で？相手はどこの人達なの？」

七瀬が腕組みしながら聞いてくる。

合コン嫌いな七瀬だ。相手がパッとしなきゃ、絶対に自分が紹介すると言って聞かないだろう。

でも、私は少しニヤけながら口を開いた。

「M商事の営業一課の人達だって！」

どうだ！とばかりに得意げに言ってみせた。

M商事っていったら、一流企業だ。しかも、営業一課はエリート中のエリートだったりする。

案の定、七瀬が驚いたように目を丸くした。

「中村ちゃんやるわねぇ。それなら私も文句ないわ。いってらっしゃいな！」

七瀬がゴーサインを出してくれた事も、何だか新しい恋をする事に自信が持てる気がして、嬉しくて素直に頷いた。

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