第9話
「良い人見つかったら、私にも紹介しなさいよ?見定めてあげるわ」
七瀬がニッと口の端を上げて、意地悪く笑う。
ゔっ…自分の親より手厳しそう。
私が苦笑いしながら珈琲を口元に運ぶと、七瀬が頬杖つきながらムッと目を細めた。
「なによ、その苦笑い。私こう見えても親友の彼氏取るなんて事しないわよ?」
真剣な七瀬に、思わず珈琲を喉に詰まらせてしまった。
「ゴホっ、ゲホッ、ごめっ、違う違う!そうじゃなくて、七瀬はイイ男沢山見てきてるから、親より手厳しそうだなって思っただけっ」
七瀬が男だからって訳ではなくて、七瀬自身がそんな事をする人間だなんて微塵も思って無い。
私が慌てて訂正すると、七瀬はニッとまた笑った。
「当たり前じゃない。手厳しくもなるわ。だって、私の親友なんだもの。変な男だったら叩きのめすわ。」
そう言って笑ってくれる七瀬の『親友』発言が嬉しくて、頬を緩めて私も微笑んだ。
まさか、この関係が崩れてしまう日が来るなんて夢にも思わずにーー。
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