第6話

「はぁー。どこかにイイ男いないかしら?」



ケーキの後の珈琲に、ミルクと砂糖を入れてかき混ぜながら七瀬が呟いた。



「え!?七瀬もう彼氏と別れたの!?まだ一ヶ月もたってないじゃ…」

「だってアイツ、束縛しすぎるんですもの。」



頬杖をつきながら、七瀬が途中で言葉を被せてきた。


七瀬の彼氏は言わずもがな、みんな男だ。

ゲイもいれば、バイもいるみたいで、今回の彼氏はゲイだったみたいだ。



「いいなぁ、七瀬は別れてもすぐ彼氏が出来るから。私も、そろそろ彼氏欲しいなぁ。」



私の呟きに、七瀬が意外そうに少し目を見開いた。



「あら、七美。アンタ二階堂君の事、もう吹っ切れたの?」


「吹っ切れたって言うか…、別れて一年ちょいは経つしね。そろそろ私も恋愛したいなぁなんて。」



二階堂文也ーー。大学の時から付き合ってて、お互い社会人になってすぐに別れた。理由は、文也の浮気。3年も付き合ってたから、流石にショックで一時期はヤバイくらいへこんでた。

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