第5話

ケーキを買ってテラスに出るも、みんな好奇心丸出しな目で七瀬を見てくる。


慣れっこな七瀬は全く気にしないので、私も最初の頃は七瀬嫌じゃないのかな?と、戸惑ったけれど、今では気にならなくなった。



「ヤダっ!コレめちゃくちゃ美味しいっ!はい、七美。半分あげるからそっちも頂戴。」


「え、七瀬イチゴのってるけど良いの!?」


「この間私が食べちゃって、アンタベソかいたじゃない。だから今日はあげるわ。」


「ベ、ベソなんてかいてないよ!イチゴとられてショックだったけど…」



七瀬が笑いながら、半分残った私のケーキのお皿と、自分のお皿を交換した。


イチゴを見て、満面な笑みを浮かべる私を見て、七瀬がプッと噴き出した。



「お子ちゃまね、七美は。」


「なっ!七瀬の方がショーケースみてキャーキャー叫んでお子ちゃまじゃないっ!」


「あら、アレはお子ちゃまとは言わないわ。ケーキ好きの女子はみんなああなるもの。」



ムゥっと唇を尖らせながら、七瀬の方のケーキを口に運ぶ。「わっ!美味しいっ!」と、私が思わず漏らすと、七瀬が「でしょ?」と、得意げに微笑んだ。

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