第3話 人生初の告白

とりあえずMの言っていた通りに予定を進む。あらかじめ楓になんの映画を観たいかを聞いていた。楓が言うにはアクション映画がいいと言ったから「シン・コシラ」を観に行くことにした。隣にいるだけでドキドキする。僕はそういう気持ちになっていた。「なんでアクション映画観たいとか言ったん?偏見になるんやけどもっと恋愛系の映画とか言ってくるんかと思った」僕はふとそう聞く。それを聞いた楓は「んー、なんとなく?」やっぱり楓はなにを考えているのかがいまいち分からない。けどどこかしら気が合うのでは?と思った。

17時半上映のシン・コシラを見たあと、Mが何気に大事と言っていた晩ご飯を食べに行くことにした。僕はちょっと体を張って高級イタリアンレストランを予約した。そのことは楓には言っていない。「え!なにここ!?」当然楓はびっくりした「今日のためにいいお店を予約したんだ」「うそ!?めっちゃ嬉しい!!」なんとか食事の面はクリアしたように思えた。しかし、「お会計3万円!?」そう、僕は値段も確認せずに予約していたのだ。「財布に5万円入れといてよかった…」と3万円の出費は大きいもののなんとか割り勘ということだけは避けることができた。

さて時刻は夜20時を回ったところ僕と楓はイルミネーションを見に行くことにした。(ついに告白の時が近づいてきた…大丈夫、自分を信じよう。今日のために指輪も買ったんだ。さすがに高校2年生だから婚約指輪では無いけど…)僕はいつも以上に緊張してした。それが心だけでなく体にも出ていた。「良介くん、大丈夫?体の動きぎこちないよ?」「大丈夫だよ、心配してくれてありがとう」(危な!僕の緊張体まで出ていたのか)すぐさま心を落ち着かせるように手のひらに馬の文字を書いて飲み込んだ。楓とイルミネーションを楽しんだ後近くにあったベンチに座った。「楓、今日楽しかった?」「もちろん楽しかったよ!良介くんは?」「僕ももちろん楽しかった!それでなんだけどさ…」そっとベンチから離れ楓の前に立った。「良介くん、どうしたの?」おそらく向こうも告白されると思っているだろう。ついに僕の口から言葉が発せられる。「実は初めてすれ違ったあの日から楓のことが好きになったんだ。いわゆる一目惚れってやつ。そして落し物を届けて連絡先を交換した時も今日のデートもすごくドキドキしたし、これからも一緒にいたいと思った。返事はいつでもいい。好きです!付き合ってください!」話したいことは全て言った。そして楓の前に指輪を差し出した。悔いはもうない。あとは楓の返事を待つだけだった。「良介くん…そんなこと思ってくれていたんだね。少し考えさせてもらってもいいかな?」「もちろん大丈夫だよ。返事待ってる。」

第4話へ続く。

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