第2話 好きな人とのクリスマス

僕がその子と連絡を取り合っていたとき、「クリスマスってなんか予定ある?」と聞かれた。(もしかしてデートとか行けちゃうパターン!?)すぐこういうことを考えてしまうのが高校2年生だ。僕はすぐに「特に予定は無いなぁ」と答えた。「そうなんだ!私も予定ないんだけどどこか行く?」「せっかくだしどこか行こうか」「やったー!どこ行く?」「本気で楽しみたいからちょっと時間くれない?」「もちろんいいよ!」このような会話を交わし、僕は本気でクリスマスのプランを考えることにした。(本気で考えると言ったもののどうすればいいのか…?)恋愛経験ゼロの僕が到底予定なんか考えれるわけが無い。「そうだ!恋愛経験豊富なMに聞いてみよう!」Mは僕の友達であり、時々一緒に帰っている仲だ。

次の日の帰り、僕はMに今までの事を全て話し、クリスマスの予定を立てることも言った。「なるほど、恋愛経験ゼロのお前には人生よりも難しい質問かもな」とふざけ半分で言ったあと、真剣な表情をして話し始めた。「いいか、好きな人と過ごすクリスマスは今までのクリスマスとは違う、まずは相手を飽きさせないことが大切である。相手を飽きさせてしまったらそのデートは失敗と言ってもいいだろう。まあ相手の好きな映画とかを見に行けばいい。その後晩ご飯が何気に大事となってくる。お前の貯金では厳しいかもしれないが多少高めのレストランを予約すれば大丈夫だ。そしてデートのクライマックスであるイルミネーション。そこはお前が好きにすればいいんじゃないか?告白してもいいし、何もしなくてもいい。」他人の恋なのにまるで自分のことのように話してくる。ほんとに良い奴だなと改めて思った。「ありがとうM。必ずやこのクリスマスデートを成功させてみる!」「おぅ!結果報告期待してるぜ!」

迎えた12月25日。約束の時間は17時ちょうど。僕は予定より30分早めに集合場所について待っていた。「お待たせ。結構待った?」「ううん、今来たところ。そういえば今までずっと連絡を取ってきたけどちゃんと名前を名乗ってなかったな。」「確かに!じゃあ私から名乗ろうか?」「お願いしていい?」「じゃあ改めて、私の名前は藤咲 楓!中野高校出身の高校2年生!今日はよろしくね!」まるで初めて会ったかのような輝きを放っていた。「なら楓って読んでもいいかな?」「もちろん!というか早く名乗ってよ!私だけなんか恥ずかしいじゃん…」「わかったよ。僕の名前は三田 良介!朝霞高校の2年生、こちらこそ今日はよろしくね。」なんだか初々しい自己紹介となった。Mと会話した時の最後の言葉「そしてデートのクライマックスであるイルミネーション。そこはお前が好きにすればいいんじゃないか?告白してもいいし、何もしなくてもいい。」そこで僕はすぐに告白すると決断した。

第3話に続く

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