僕の想いと君の想い
きっちゃん
第1話 運命の出会い
この日はとても天気が良く、穏やかな秋の空に包まれていた。高校2年生の僕はいつも通り1人で帰っていた。すると前から普段見ない顔つきをした1人の女性が歩いてきた。(ここら辺ではあまり見ない人だな…)と僕は思った。そうこう考えているうちにその女性は僕の横を何事もなく通り過ぎて行った。「もう一度会いたいな」僕はふとそう呟いたのであった。
その後も同じ時間、同じ道を通って帰っているがその女性に会う気配は一向にない。「まさか、僕は夢でも見ているのか?」そう、僕はこの日々が夢だと思い始めたのである。しかしそうではないとすぐ証明される出来事が起きた。女性とすれ違ってから1ヶ月が経った頃、その日もとても天気が良く、穏やかな秋の空に包まれていた。今日は僕の友達と一緒に帰っていた。すると前から1ヶ月前にすれ違った女性が歩いてきたのだ。友達との会話に夢中になっていた僕はまたまた話しかけることが出来なかった。しかし、その女性は僕とすれ違う時にあるものを落としてしまっていた。急いでいたのか「何か落としましたよ!」と問いかけても聞こえている感じは無い。何を落としたのだろうと思い、落し物に目を落とした。「これは…学生証?」その女性は隣の高校の生徒でかつ僕と一緒の学年だったのだ。「まぁ明日隣の高校に持っていけばいいか」と思いその日は家に帰った。
あの人にもう一度会えると思った僕はその夜なかなか眠ることが出来なかった。寝不足で迎えた朝、その日は曇天であった。しかし僕の心は快晴で悩みなど一切ないように見えた。今日は隣の高校によるので少し早めに家を出た。
隣の高校までのルートをスマホで調べながら歩いていった。意外と時間がかかってしまい、あわてて高校の管理人さんに事情を説明してその女性を呼んできてもらった。「昨日学生証を落とした覚えはありませんか?」と僕が聞く。女性はあわててカバンの中を漁る。「あれ?学生証がない!」
(学生証の届けものということを聞いているはずなのになぜこんなに焦るのか、もしかして天然なのか?)と女性がこのような反応した後にすぐに思った。「僕と貴方がすれ違った時に学生証を落としたんですよ。なので届けに来ました。」すぐ事情を説明する。「そうなんですか!?ありがとうございます!なにかお礼にできることはないですか?」これは連絡先を交換するチャンスだとすぐに確信した。「なら、ここで会ったのもなにかの運命かもしれません。なので連絡先を交換してくれませんか?」無駄な一文を添えて連絡先の交換を求めた。「もちろんいいですよ!」あっさり受け入れられた。連絡先を交換したあと、僕が隣の高校だと知り、それからお互いは良く連絡を取るようになった。
第2話へ続く
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