第22話
「ももさん、こんにちは」
目が合った気がして慌てて頭を下げる私に
声をかけられて初めてこちらに気付いたらしい相手が、あ、と声を上げて足を止める。
「瑞希ちゃん」
そう小さく手を振るももさんが
綺麗に巻かれた茶色の髪を揺らして嬉しそうに微笑む。
ころころ笑うももさんの可愛らしさに
なんとなく、胸が、ぎゅっとなる。
思わず目を伏せてしまう私を尻目に
ももさんは、一応、というように辺りを見渡してもう一度私を見下ろすと白々しく首を傾げた。
「あれ、瑞希ちゃん今日も1人なの?」
「……えへへ、はい」
「瑞希ちゃん以外のマネ、なかなか練習来ないから大変でしょう。私も忙しくて顔出せなくてごめんね」
どう反応すればいいか分からず思わずへらっと笑う私に、ももさんは申し訳なさそうに眉を下げる。
自分が練習へ参加しないことを気にするタイプじゃなさそうなのに。
そう思った直後、その後ろにもう1人の人陰がゆらりと揺れた。
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