第18話

そんな疑問を浮かべる俺の一方で、ちゅーっと紙パックのジュースで喉を潤すフラミンゴ。


相変わらず苺ミルク。

天むすに苺ミルク。

もう見慣れたけどね。



一回だけ豆乳飲んでんの見た事あったけど、次の日には元に戻ってたよ。


甘さか、甘さが足りなかったのか。

育ち盛りだもん、糖分は大事だよな。うんうん。



…って、こんな話今はどうでもよくて。





「優秀って言うより特殊って感じかな〜。


ちょっと問題のある生徒を集めた少人数制のクラスなんだけど、変わった子が多いんだって〜。」




ちょっと問題のあるってどんな問題よ?

変わった子ってのはつまり変わり者って意味か?


そんな事を思いながらトキの話に耳を傾ける。



つかノエルちゃん、曲がりなりにも今キミの話してんだぜ。

本人が全くの無関心ってどういう事よ。


せめて聞いてるフリぐらいしてみようぜ狸寝入りなのは知ってんだぜ。もーう。





「龍ヶ崎くんは一年留年した上での復学だったから〜、学校に慣らす為の特別処置でSクラス入りしたって聞いたよ〜。


去年会長と対立して色々問題を起こしてたからね〜、様子見も兼ねてたんじゃないかな〜。」



「へー。」




トキ曰わく、留年が決定したノエルちゃんのクラスは去年と同じAだって事は決まってたらしく。


んでもって去年ノエルちゃんが座ってたのは、窓際の一番後ろだってのも知れ渡ってたらしく。



一時的にSクラス入りが決定した後も例の席には恐れ多くて誰も近寄ろうとしなかった、ってのが半年間の空席の真相みたい。



ノエルちゃんどんだけ恐がられてんの……って今更だよな、うん。


つか会長と対立して問題を起こしてたって……や、これも今更か。うん。



元のクラスに戻されたのは、やっぱ風紀委員長になったからみたい。

役職持ちになったから、もう問題は起こさないだろうって判断されたのかね。


よかったねノエルちゃん。





「あと姉妹校の短期留学生を受け入れるのもSクラスだって聞いたよ〜。


そう言えば〜、確か今月に…」




そう言いかけてトキは、何かを思い出したようにちらりと隣へと目を向けた。



つられてそちらを見れば、目を伏せながら物思いに耽っている美里がいて。


見るからに元気がなく、サンドイッチも一切れしか食べてない。



…?どうしたんだ?





「美里?気分でも悪いのか?」



「え…?あ、いっいえ、大丈夫です。ただ、あの…」




俺の声に美里の目の焦点が戻る。


けどやっぱりその声色には元気がなくて、俺は美里の顔を覗き込んだのだった。

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