脱わんこ宣言
第8話
そんな感じでプリンスの助けもあって、何とか生徒会の仕事をこなせてる今日この頃。
外部生である俺が生徒会入りした事で、新たな問題が起こるのは目に見えてるけど。
文化祭の準備で忙殺されて、起こってない事まで考える余裕なんてないないないない。
取りあえずどうやってバ会長にやる気を出させるか、そればっかに頭を悩ませてる俺だったり。
――ジャー、ガチャガチャ…
「ん、これがラストー。」
「おう。」
所変わって寮室のキッチン。
時刻は午後十時過ぎ。
食器の洗剤を水で流した俺は、隣でタオルをスタンバイしてる同室者に皿を渡した。
慣れない生徒会の仕事から生還し、いつもより遅い晩飯を食べ終えた今し方。
俺が水でお皿をじゃぶじゃぶ。
ノエルちゃんがタオルでお皿をキュッキュッ。
二人並んでキッチンで食後の後片付け中の俺たちです。
「風紀の方はどう?順調?」
「…今んとこはな。」
最後に流し台を軽く洗い流し、タオルで手を拭き拭き。
隣を見上げれば、俺同様ちょっぴりお疲れモードのノエルちゃんが。
生徒会と違いツートップが入れ替わった風紀は、新体制の中で何かと大変な事が多い様子。
けど大した混乱もなく風紀が機能してるのは、先輩達からの引き継ぎがスムーズだったのと、ノエルちゃんの統率が上手くいってるからみたい。
(第三勢力も徐々に風紀派に融合してきてるって、トキも言ってたしな…)
元々ノエルちゃんを慕ってた人間が集まってできた第三勢力。
ノエルちゃんが風紀委員長になった事で、そのほとんどが風紀派へと吸収されつつあるらしい。
ん、よかったよかった。
あそこにはクーデター事件の残党がまだいるって話だから、風紀派と纏まってくれた方が何かと安心だよな。うん。
「お前の方こそどうなんだ?」
「んー…ぼちぼち?」
ノエルちゃんのセリフにちょっぴり苦笑いで答える俺。
同じ塔の同じフロアで仕事してる俺たちだけど、生徒会室と風紀室が離れてるからあんま会わないんだよね。
だから俺がバ会長に振り回されっぱなしってのは知られてない。
今後の事も考えると、ノエルちゃんにバ会長の話はしない方がいいよな。なんて。
そんな事を考えていた俺をどう思ったのか、ノエルちゃんは少し口を開閉した後言葉を続け…
「…セクハラとかされてんじゃねぇだろうな。」
「ぶっは!」
まさかの言葉に思わず吹き出す。
ノエルちゃんの口からセクハラって…!セクハラって…!
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