スズラン館

第36話

半田先輩改め、まさやんのバイクにニケツ。


ブイブイ飛ばす事、約五分。



そうして着いた先にあったのは…





「ここが鈴蘭生全員が生活してる寮、『スズラン館』だ。」



「……」




煉瓦(レンガ)造りの


巨大な洋館でした。





「でけぇー。」



「はは、だろ?最初見た時は俺もさすがに驚いた。」




あ、やっぱ金持ちでもびっくりするんだ。



洋館、もとい寮はヨーロッパ風の巨大な茶色い塊。


上から見ると凹字型になってるらしく、左右対称の建物で。



えーっと、いーち…にい…全部で五階建て?


凹の字の角の部分だけ、それぞれ一階分飛び出てる感じ。





「真ん中の入り口が総合玄関。


向かって右側が、俺が寮長してる『太陽寮』で左が『月城寮』だ。」



「…つきしろ?何で一つの建物の中に、寮が二つあんの?」



「ハハ、男と女をごちゃ混ぜに寝かすわけにはいかねぇだろ?」




…あ、なるほどね。



駐輪場にバイクを置くと、まさやんに連れられスズラン館へと足を踏み入れた俺。


ホテルにあるようなガラス張りの回転扉が、寮の総合玄関ってのには五つもあって。



その内の一つを潜り抜けると、最初に目に飛び込んできたものにあらびっくり。


シャンデリアあるよ。

しゃんでりあ。





(何か、昔の貴族が住んでるお屋敷みてぇ…)




頭上から視線を戻した俺の目の前に広がったのは、赤ワイン色の絨毯が敷かれ広いフロアで。


ソファーがあって花が飾られてて、ホント高級ホテルのロビーみたいな感じ。



そこを通り抜けると正面に、二階へと続く横幅の広い階段が。


途中から二俣に分かれてて、それぞれ左右の寮に続いてるようだった。



その階段の横に、それぞれの寮の寮長の部屋がある。


その部屋、もちろんまさやんの寮長室の方でただ今俺…





――ずずぅー…




「はあ、美味し。」




まったりのんびり。


お茶頂いてまっす。

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