第18話

チームメンバーが集まる溜まり場では、周りがほとんど男ばかりで。

それに影響されて、自然と自分のことを『俺』って言うようになった。


それだけならまだよかったんだよな、うん。



三鷹さんだけじゃなく他のメンバーも俺の事を可愛がってくれて、よく遊んでもらってた。



んだけど…





みーんな、口が悪かった。


いわゆるヤンキー語ってやつ。



まだ子供だった俺にチームの皆は、相手に舐められない方法や喧嘩を売られた時のやり返し方を教えてくれた。


『女でもガキでも自分の身は自分で守れなきゃダメだ』って、よく言われてたっけ。



物心ついた時から俺も、家の近くの道場に通っていたから。


筋(スジ)はよかったらしくて、喧嘩スキルをどんどん吸収してった。



…ヤンキー語も。




三鷹さんや初代メンバーが抜けた後も、俺はそのチームによく顔を出してはチーム同士の喧嘩に参加してた。


それと同時に自分の事を『俺』っていう癖も、抜けにくくなっていったってわけ。

ヤンキー語も、ますます上達していったってわけ。



巻き舌だってお手のもんだぜ、えっへん。





(あー…そういや最近色々あったから、溜まり場に顔出してないなぁ…。)




皆、元気にしてっかなー…。






「聞いてんのかバカマコっ!!!」




――ガンッ!!!





…ぐっ、痛い。



そんな感じで、三鷹さんから計二発のゲンコツ食らって散々怒られた後。


冷めるといけないからっつー理由で、俺はようやく念願の晩飯にありつく事ができたのでした。

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