被験者一号
第10話
そんなこんなで今現在。
木元さんのバーを後にした俺は、三鷹さんの車で夜の街を移動中だったりする。
俺と三鷹さんは、後部座席に仲良く並んで着席。
当然のように運転手さん付きの黒ベンツ、ホントすごいよね。
三鷹さんと久しぶりに会ったから、今日は三鷹さんのマンションにお泊まりなんです。
何回か行った事ある超高級タワーマンション。
しかも最上階フロア丸々三鷹さんの持ち物っていうね。
ホントすごいよねー。
その道中の、車内での事…
「…『鈴蘭学園』?」
三鷹さんの口から出た学校名に、俺はきょとんと首を傾げた。
鈴蘭学園…?すずらん…?
んー、聞いた事あるようなないような。
「俺の母校だ、三鷹家の人間は殆(ホトン)どがそこを卒業してる。
大企業の役員や大物政治家、古くから続く由緒正しい名家や茶道華道の家元。
その他の成金連中が自分とこのバカ息子や高飛車娘を挙って入学させたがる、全寮制の名門校だ。」
へー、三鷹さんの母校かぁ。
いわゆるボンボン校ってやつかな。
てかバカ息子に高飛車娘って。
ちょっと言い過ぎじゃ。
まぁ三鷹さんがきっぱり言い切っちゃうって事は、その通りで間違いないんだろうけど。
「そこの理事長が、今年から新しい奴に変わってな。
マコ、お前篠原覚えてっか。」
「篠原って、しのちゃん?」
俺が口にしたのは、小さい頃から慣れ親しんだ人物の愛称。
しのちゃんは三鷹さん同様母さんの昔からの友達で、とっても美人なお姉さん。
何年か前に仕事でフランスに行っちゃって以来、しばらく会ってない。懐かしいなぁ。
もちろん覚えてますとも、たまに電話かけてきてくれてたし。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます