第79話
「……柚ちゃん、待って…泣かないで、ごめんっ…ほらここって医者を目指す人間とか、看護師になりたい人とか─…薬剤師とか、理学療法士とかっ、、そういうのに憧れて通ってる人間が多いからっ…それで、、だからっ、」
私が泣き出したことにより、凛くんはパニックになって"ここが医大"と言ったことについての理由を語り始めた
あぁ…確かにそうだ、、医療関係の職に就きたいと願う人達の前で私は…人を傷つけるような最低なことをした。間違ってるのは私の方だ。関係ない…なんて、それは私の私情の方だった
──…それでもっ、
『謝らないっ…私は、悪くないっ』
消えてしまいたくなるほど、辛かった。この人と元カレ─…颯二が一緒に居るところを目の当たりにしたとき、本当に、消えたくなるほど苦しかった。
私だって傷つけられた。目に見える傷じゃなければ…彼女のしたことは許されるの?
「──柚ちゃんっ、」
『でも、ごめんね─…凛くんには、ごめんね。その人にしたことは謝るつもりは無いけど、凛くんに恥をかかせてしまったことは悪いと思ってる。ここは凛くんの通う大学…場所を間違えた。私が…間違ってました。ごめんなさいっ』
「柚希、違うだろ?そうじゃなくて、」
『その人─…送ってあげればいいよ。バイバイ凛くん』
嫌いになれたら楽なのに。凛くんはいつだって優しくて良い人だから…きっと私のことを放っておけない。
でもケガをしてる有沙を放置することも出来ないんだ。ケガをさせたのが私だから尚更。責任を感じて彼女の手当をしてあげることだろう
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