第78話

「─…柚ちゃん…?」



目眩がした…自分の愚かさに、吐き気がする。





人を傷つけておいて、自分は悪くないと言い張るなんて─…どうかしてる。私は凛くんと居るとどんどん最低な人間になっていく。





「柚希、それやめてっ…傷になるから、」




悔しくてっ、惨めで…噛み締めた唇から鉄の味がして…血が出たんだって思ったら少し、嬉しくなった。





─……私もケガしたから、手当してくれる?





「─…柚希っ、」


『凛くんも、一緒だった。』





見た目が全てじゃない─…そう思って凛くんを好きになったけど。結局は見た目が全てだ。





黒髪で、清楚系…医大に通う真面目女子有沙と茶髪で派手な頭の悪そうな今どき女子の私。




どちらを信じるべきなのか…なんて、周りの目をみれば一目瞭然。




周囲で傍観している医大生たちもきっと心の中で思ってる。"あの女、イタいなぁ"って。私を見て心の中で笑っていることだろう。

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