第76話

「…っあ、柚ちゃん!!」




いつもみたいに私に笑顔を向けてくれる凛くんに、私はいまどんな顔を向けているのだろうか





きっと、ひどく不細工な顔をしてるに違いない





「……柚希ちゃん、お久しぶりです」





どういう神経で私に話し掛けてるの?っと、問いたくなってしまうほど自然に─…私に話しかけてきた有沙。





「柚ちゃん、折原さんと友達なんだよね?知らなかったなぁ…柚ちゃんの友達が同じ大学に居たなんてっ!」




騙され体質の凛くんは、どうやらこの魔性の女に嘘をつかれているらしい。同じように凛くんを騙している私が言えることではないが、本当に最低だなって思う。




私と有沙が友達?有り得ない、私はこの女を許した覚えはないし、口をききたいとも思わない





『…凛くん、帰ろう』





だから、無視した。有沙について触れることなく凛くんの手を引いて帰ろうとした。なのにっ





何を思ったのか、有沙は凛くんの腕に触れた

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