第75話

『……凛くんが、凛くんじゃなくなったみたいで寂しい。私だけの凛くんでいて欲しかった』



「な…に言ってるの?俺には柚希だけだよ?」




泣かないで…って、背中をさすってくれる彼はきっと良い彼氏だろう。私みたいな醜い…心の狭い女に縛られて…とても可哀想に思うよ。






『……髪型も、似合ってる。コンタクトにした凛くん…本当にカッコイイよ』




「……ほんと?俺も柚ちゃんの学校に通ってる男の子みたいになれたかな?」





そんなの比べ物にならないくらい、凛くんの方が余裕でカッコイイに決まってるじゃん。





「柚ちゃんが喜んでくれて─…嬉しいっ」





──…笑わないで、



そんな嬉しそうな顔しないでよっ







恐れていたことが起きたのはそれから数日後。

学校帰り、一緒にご飯を食べて帰ろうと約束をしていたので…凛くんの大学までお迎えに行った時のことだった





どれだけ待っても学校から出てこない凛くん





不思議に思って電話を掛けみるけど繋がらなくて─…大人しく外で待っていた私の元に、、





「─…じゃあね、凛くん」




っと言って、私の彼の名前を呼んだ"有沙"と




「うん、またね─…折原おりはらさん、」





大好きな凛くんが二人、一緒に出てきたんだ

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る