第61話

「柚ちゃん、バイト終わったって連絡くれてたでしょ?その返信をしてる途中で俺、寝落ちしたみたいで…スマホ持ったまま寝てたから、気を利かせた風間がそれを取り上げてダイニングテーブルに置いてくれてたみたいで」





スマホに頭でも乗せて寝てたのだろうか?確かにスマホを握ったままだと、変なボタンを押したりしたら大変だし…電話が掛かってきたりしたらビックリして飛び起きそうだもんな。




そう思うと、風間のその行動は正しかったと褒めてやるべき点かもしれない。






「─…っで、問題はその後。俺が寝てる間に、風間の彼女が来てたみたいで…柚ちゃんが掛けてくれた電話に勝手に出たらしいんだよね」





───なるほどね、そーいうこと。





「風間から聞いたのはそれだけ。その後すぐに電話が切れたって風間が言ってて…柚ちゃん、勘違いしたんじゃないかなって思ったら心配でっ…始発まで待てなくて、タクシーでここまで来たんだ」





風間から聞いたのはそれだけ、ってことは…あの闇属性の陽キャラが凛くんの宝石容姿に気がついたということは…知らされていない?





「ごめんっ…こんなこと言っても、信じられないよね。風間の彼女とはいえ実際に…女の子と同じ場所に居たのは事実だし、これを浮気だって…柚希が思ったなら、俺は浮気をしたんだと思う」





自分の非を認めて、謝る凛くん。私が浮気だと思ったならもうそれは浮気だ…なんて。

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