第53話
二人でカフェを出て直ぐに、凛くんが─…
「っあ…まだ時間平気?実は今週末、風間の家に泊まり行くことになって…手土産を買いたいんだけど、付き合ってもらってもいいかな?」
───なんだって?!!
あの闇属性の陽キャラ風間の家に泊まりに行くだとっ?!
『なっ、なんでお泊まりっ?!今まで泊まったりすること無かったよね?!』
「そうなんだけど…もうすぐ試験でしょ?一緒に勉強しようって、言ってくれて。一人でするより友達と問題を出し合ったりするのも大事かなぁって。最近ちょっと行き詰まってたところもあって─…」
なんて、そんなことを言われたら"行かないで"っとは言えなくなってしまう。
夏頃…大きな試験があるというのは去年から聞いていたことだ。その為に凛くんが予備校に通ったり、遅くまで勉強をしている姿を近くで見てきたからちゃんと分かってる。
分かってるけど─…宿敵、風間洋二の家にお泊まりというのは、、やはり少し心配だ。
『………これとかいいんじゃない?』
"激辛銘菓"と書かれた、辛いお菓子ばかりが入った詰め合わせセットを指さした私に…凛くんは笑顔を向けてくる。
「風間が辛いの好きだって、覚えてたの?!さすが柚ちゃん…俺の友達のことまで考えてくれて、ありがとうっ!」
クソっ、そんなつもりじゃっ─…
辛いお菓子ばかり食べて、勉強どころではなくなり…やっぱり今日は解散しよう!みたいな流れになればいいなぁ…っと思った私の作戦は、見事に散って終わったのだった。
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