第51話

「……あ、本宮もとみやくん。どうもっ」




本宮くん…っと呼ばれた彼は、凛くんの隣の席になんの躊躇いもなく座った





──…何してんの、この人





「凛くん〜…何なに、もしかしてデート中?っていうか、彼女っ?!なわけないか、妹とかそっち系?紹介してよっ…めっちゃ可愛いじゃん!!」





妹だとっ?!私がっ…?!!凛くんの、妹?!





『─…あ、あのっ…』




「──柚希は俺の、彼女だけど?何でお前みたいな奴に、紹介なんてしなきゃいけないの?」





否定しようとした矢先─…ブラック凛くんが姿を現し、本宮くんをジッと見据えて無表情で…淡々と語りかけている





「っえ……あぁ…いやっ、ごめんっ!まさか彼女だなんて、思わなくてっ」



「───なんで?俺と柚希、そんなに釣り合ってない?」



「いやっ…そういう訳じゃ、」



「いーよ、別に。俺もそう思ってるからさぁ…ただ…"可愛い"とかそーいうこと、他人のアンタに言われたくないんだよね。柚希が可愛いなんてことは、この俺が一番よーく分かってるから、いちいちそんなこと言って貰わなくて、大丈夫だから」






──…凛くんっ?どうしちゃったの?




無表情で語り続ける凛くんを見て、怯えたような顔をする本宮くん。彼は私に助けを求めるような目を向けてきたのでっ、





『……凛くん、パスタ何にするか決めた?私はミートソースにするっ!凛くん何でもいいならカルボナーラにしてくれる?一口、ちょーだい?』





この場から本宮くんの存在を消す…っという判断を下した私。すぐに凛くんも私と目を合わせて─…





「俺もカルボナーラにしようと思ってたから。好きなだけ食べてくれていいよ、柚ちゃん」




って…笑顔を向けてくれる凛くんを見て、、本宮くんが静かに去っていったのを視線だけで見送った

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